焼肉屋の開業に必要な資金と準備するものは?経営に失敗しないコツも伝授!

焼肉屋は飲食業の中でも根強い人気があります。高単価なリピーターが期待できるものの、開業までの資金や準備はしっかりと行う必要があります。焼肉屋の開業・経営のための資金や準備に必要なことを失敗しないコツも含めて詳しく解説します。

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コロナ禍で焼肉屋の開業・経営が好調な理由

新型コロナウィルスによって大きな打撃を受けている飲食業界。営業自粛や外食控えで逆風が続く中、健闘している業態があります。それが「焼肉屋」です。

日本フードサービス協会によると、2020年11月の外食産業全体の売上高が前年同月比92.2%と苦戦しているのに対して、「焼肉屋」の売上高は109.4%と好調に推移しています。

過去10年間で倒産件数が最小など好調が続く「焼肉屋」ですが、その理由はどこにあるでしょうか?

空調設備が充実している=感染対策に繋げやすい

大きな理由の一つと考えられているのが「換気」に対するイメージです。

コロナ感染拡大後に行われたリクルートライフスタイルの調査では、お店選びの際に重視するポイントの第2位に「きちんと換気がされているか(男性37.3%、女性62.3%)」があげられています。

多くの「焼肉屋」では各テーブルに無煙ロースターなどの排煙装置が備え付けられて、匂いがこもらない工夫がなされています。

この空調設備の充実ぶりがお客様には「換気が良い」というイメージにつながり、他の飲食店と比べると感染対策に繋げやすいと評価されているようです。

自動化が容易で接触機会を減らす工夫が取りやすい

近年、焼肉屋で導入が進んでいる「TTO(テーブルトップオーダー)」もコロナ対策としてのイメージ向上に貢献しています。

TTOとはお客様がタッチパネル端末などでセルフオーダーする仕組みです。焼肉屋はTTOとの相性が良く、容易にシステム導入できる業態です。

TTOが導入された店舗では従業員との接触機会が減ることで、お客様が抱くコロナ感染への不安を和らげられます。

焼肉屋は様々な開業形態が可能

焼肉屋は人気拡大に伴い、従来のファミリー層に留まらず幅広いお客様のニーズが生まれています。

例最近では一人で焼肉を楽しみたいというお客様に向けた「一人焼肉」という形態が人気となっています。このような少人数向けなど、新しいニーズに合わせた店づくりが行いやすいのも「焼肉屋」の魅力です。

コロナ禍においても他の飲食業態より柔軟な対応が図れたことが、好調な売上高につながっていると考えられます。

コロナ禍での焼肉屋のトレンドは?

新型コロナ感染拡大は、お客様の飲食店に対する意識を大きく変えました。

「焼肉屋」もお客様の変化に対応して、今まで見られなかった新しい業態が次々とオープンしています。

今お客様に求められている「焼肉屋」はどのようなものでしょうか?

ここではコロナ禍において、新しく誕生した焼肉屋のトレンドをいくつか紹介します。

小さな店舗でコロナ対策&回転率UP「一人焼肉専門店」

カラオケなどの「おひとり様」需要の高まりをうけて、焼肉を一人で楽しめる「一人焼肉専門店」が拡大しています。

一人一台の専用ロースターが設置され、オーダーもタッチパネルとお客様が気を遣うことなく、一人で焼肉を楽しめる環境づくりが行われています。

無煙ロースターによってにおいが服に残らず、コロナ対策にも有効とお客様が気軽に来店できる特性があります。

また「一人焼肉専門店」は小さな店舗でも展開できる強みがあります。

大人数向けのテーブルを準備する必要がないため空きスペースが減りますし、食事中の会話がなくなることで一人当たりの滞在時間も短くなります。

これまで展開が難しかった都市部などの小さな店舗でも、「一人焼肉専門店」であれば回転率を上げることで収益を期待できるようになっています。

経費を抑え、良質な肉を安価に提供できる「立ち食い焼肉専門店」

立ち食いで安価に焼肉を楽しめる「立ち食い焼肉専門店」も人気の業態です。

通常の焼肉店なら高価で手が出ない希少部位の肉が数百円からオーダーでき、肉の品質にこだわるお客様から高い支持を得ています。

小さい店舗面積で賃料、座席、ロースター、人件費などを抑えるとともに、回転率を上げることで、他の焼肉店では提供できない良質な肉の提供を実現しています。

ファミリー向けの郊外のロードサイド店舗

コロナ禍において集客の落ち込みが小さく売上の回復が早い地域があります。それが近隣に居住者が多い郊外やロードサイドです。

ファミリーという限られた関係での来店が多いことに加え、焼肉には家庭では味わえない「ごちそう感」があることが来店の動機を高めています。

また、価格面で安心できる「食べ放題」が拡大していることも、人気拡大の後押しをしています。

焼肉屋を開業するための初期費用

焼肉屋は他の飲食店と比べて内装工事費や厨房設備への投資が必要なため、開業資金が高額になります。お店のコンセプト、立地、規模などを可能な限り明確にし、必要な初期費用を把握することがスタートとなります。

これらの初期費用に加えて、開業当初の運転資金も必要になります。融資などを含めた資金確保の手配も綿密に行っていきましょう。

小規模店舗を開業する際に必要な資金は2000万円~

敷地面積が30坪程度、駅前や繁華街立地の小規模店舗をモデルケースとした開業資金の例です。

□物件取得費 600万円

 ・坪単価2万円×30坪 月額家賃 60万円

 ・保証金10カ月分

□内装工事費 1000~1300万円

 ・ロースター設置、ダクト工事 600万円~900万円

 ・給排気工事 300万円

 ・デザイン、防煙加工など 100万円

□厨房設備費 300~500万円

□備品、消耗品費 30万円

□資格取得費 3~6万円

□開業前人件費 20~30万円

□広告宣伝費 20~40万円

初期費用合計 1973~2506万円

大規模店舗を開業する際に必要な資金は4000万円~

敷地面積が100坪程度、郊外型ロードサイドの大規模店舗をモデルケースとした開業資金の例です。

□物件取得費 1000万円

 ・坪単価1万円×100坪 月額家賃 100万円

 ・保証金10カ月分

□内装工事費 2150~2600万円

 ・ロースター設置、ダクト工事 1350万円~1800万円

 ・給排気工事 500万円

 ・デザイン、防煙加工など 300万円

□厨房設備費 500~800万円

□備品、消耗品費 100万円

□資格取得費 3~6万円

□開業前人件費 60~100万円

□広告宣伝費 20~60万円

初期費用合計 3833~4666万円
物件の立地条件によっては1億円を超える可能性も十分にあります。

焼肉屋の開業に適した立地を探し物件を取得するべき

初期費用のめどが立ったら、次は物件探しを行います。

駅前や繁華街の一等地は集客力があり高い売上が期待できますが、賃料が高くほとんどの物件に大手チェーンが進出しているのが実情です。

二等地や郊外などのロケーションであっても、お店のコンセプトにあったお客様を呼び込める立地であれば、初期投資やランニングコストを下げていけば収益化を図れます。

ここからは、お店のコンセプトに基づいた立地や物件の探し方を考えてみましょう。

開業する焼肉屋のテーマに沿った立地を探そう

立地を探す際にしっかりと考えておくべきことが、「お店のコンセプト」です。

焼肉ニーズの多様化とともに、今では様々なコンセプトの焼肉屋業態があります。

「郊外型大型店」ならば近隣に家族層が多い住宅地と隣接している、「一人焼肉店」であれば都市部のオフィスで働く人が多いというように、ターゲット顧客の来店が期待できる立地を選定しましょう。

コンセプトを明確にしてターゲット顧客の生活圏に近い立地を選定すれば、お店の訴求力が高まることで二等地や三等地であっても積極的な来店を期待できます。

立地選定はお店の成否に影響するとても重要な要素です。慌てて決めたりせず、商圏調査や現地視察など可能な限り詳細に調べてください。

焼肉屋の開業は居抜き物件がオススメ

焼肉屋の物件を探す際には排気に関する注意が必要です。テーブルごとに設置する排気管のスペースや、店外への排気ダクトなども考えて物件を選びましょう。

焼肉屋の特性を考慮すると、オススメなのは「居抜き物件」です。「居抜き物件」であれば設備や機材が始めからそろっているため、初期投資をかなり抑えられます。

また、居抜き物件の中には焼肉屋向けというものも多くあります。排気設備が整っている焼肉屋の居抜き物件は買い手が見つかりやすため、店舗が設備を残したまま退去できるからです。

ただし、焼肉屋の居抜き物件ということは、焼肉屋が一度失敗しているということを意味しています。失敗の理由を分析して、お店のコンセプトやターゲットに合致しているかをしっかりと検討してください。

焼肉屋の外装や内装にもこだわる必要あり

コンセプトが明確な焼肉屋ほど、それをお客様に伝える外装や内装が重要になります。

まずは外装によって、お店のコンセプトを伝えることが大切です。ターゲットとしているお客様、肉の品質、価格などが一目で分かる外装が理想的です。

内装では、来店されたお客様が楽しめる雰囲気づくりを念頭に置いてください。家族向けであれば開放感を出したり、一人向けであれば入りやすい雰囲気をつくるのも良いでしょう。

また最近では焼肉屋にも「清潔感」が求められています。焼肉屋は油や煙で汚れやすいからこそ、「清潔感」があるお店は女性や家族連れのお客様にとても支持されています。店内の色や素材を工夫して、「清潔感」ある店づくりを目指してください。

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