ハウスクリーニングを開業するのに必要な知識とは?開業資金・資格・準備に必要なものを解説

ハウスクリーニング経営は個人でも気軽に開業できるという特徴がある一方で、競合が多い地域や需要のない地域で開業してしまい失敗するという事例も数多くあります。この記事ではそうした失敗をしないために必要な知識や、開業のために必要な道具や初期費用、年収例、おすすめのフランチャイズなど、ハウスクリーニングを開業するために知っておくべき知識を解説します。

アイキャッチ

個人でも低リスクで開業可能なハウスクリーニング

フローリングやカーペットなどの洗浄や、キッチン・お風呂・トイレなどの水回りの洗浄をきれいにするハウスクリーニングサービスは近年成長し続けている市場です。

特に、コロナ禍において掃除代行需要が拡大しており、今後も成長が期待できる有望な市場となっています。

では、そうした将来性のあるハウスクリーニングにおいて開業をする場合にはどれぐらいの初期費用を用意する必要があり、どれぐらいの年収を獲得できる見込みがあるのでしょうか。また、ハウスクリーニング経営にはどのようなメリットや開業の際に気を付けるべき点にはどのようなものがあるのでしょうか。

この記事ではそうしたハウスクリーニングを開業するにあたって知っておくべき知識を解説します。

ハウスクリーニングの開業資金、経営・運営にかかる費用、必要なもの

ハウスクリーニングを開業する際には、クリーニングの中でもどこに力を入れるのかなどのお店のテーマを考えたり、クリーニング用品を揃えたり、チラシ・広告を作って宣伝をしたり、人を雇うなどをしておく必要があります。

ここではそうしたハウスクリーニングの開業にあたって必要なものについて解説します。

クリーニング設備・備品  

ハウスクリーニングを開業する際に必要となるクリーニング用品と金額の目安は次の通りです。

開業に必要なクリーニング用品金額の目安
アルカリ性洗剤10,000円(20kg)
次亜塩素酸ナトリウム(カビ取り・漂白用)4,000円(20kg)
トイレ用洗剤1,500円
ワックス5,000円(5リットル)
シャワーホース3,000円
バケツ100円
ブラシ100円
モップ用シート1,400円
ワックス用モップの柄4,200円
スポンジ(銀のラメ入り)100円
メラミンスポンジ1,000円
マイクロファイバータオル(36枚入り)2,700円
シャンパー(窓ふき用タオル)1,200円
スクイジー1,300円
掃除機(サイクロン式)4,000円
噴霧器1,200円
長靴1,700円

これらを合計すると、開業にあたって揃えておくハウスクリーニング用品は42,500円となります。

それぞれの道具がどれぐらい持つかはもちろんお客さんの数によって変わりますが、おおむね半年程度は持つと考えてよいでしょう。その場合、ハウスクリーニングの運営にかかる費用はだいたい7000円~8000円程度になります。

また、これらの備品以外にもお客さんのところまでいく車や、店舗を用意する場合は物件取得費がかかります。

ただし、ハウスクリーニング業は店舗にお客さんを呼んでサービスを提供するわけではないため、自宅を店舗代わりにすることもできます。その場合は、物件取得費はかかりません。

また、車に関しては掃除道具などですぐに汚れてしまうので、新車を用意する必要はありません。そのため、中古で購入すれば80万円程度に抑えることができます。

チラシ・広告

開業した段階でお客さんを集められるかどうかがハウスクリーニング経営の成否を分けるポイントとなります。

そのため、開業前後ではビラ配りやHPの作成などの費用を用意しておく必要があります。

このチラシや広告にかかる費用としては20万程度が目安となります。

ただし、経営が軌道に乗ってきてある程度固定的なお客さんが獲得できるようになれば、広告費は月に5万円程度で十分となります。

人件費

ハウスクリーニングのサービスは1人でも提供することができます。そのため、開業した直後のお客さんがまだ少ない段階では人を雇う必要はありません。

そのため、ハウスクリーニング経営の初期段階では人件費はかかりません。

ただし、お客さんが増えてきて予約でいっぱいで対応できないというケースが出てきた場合には、人を増やす必要が出てきます。

その場合には、アルバイトを雇う場合であれば月に15万円、社員として雇用する場合には25万円程度の人件費がかかります。

ハウスクリーニングの経営者の年収は500万円以上

ハウスクリーニングの開業やその後の経営に必要なコストは洗剤などの備品の消耗品費が月に1万円弱、広告費が5万円程度であとは人件費次第となっています。

では、ハウスクリーニングを開業した場合、経営者の年収はどのようになるのでしょうか。

ハウスクリーニングの平均単価と所要時間

年収のシミュレーションをする前に、そのシミュレーションに必要なハウスクリーニングの平均的な単価と所要時間が次の表のとおりになります。

掃除箇所単価所要時間
エアコン8,000円~15,000円2時間
お風呂12,000円~18,000円2時間半~3時間半
キッチン全体12,000円~20,000円3時間
部屋周り(6畳あたり)9,000円~15,000円2時間

この表からはおおむね2時間程度で10,000円から15,000円程度の収入を得ることができることが分かります。

一人で開業した場合のハウスクリーニングの収益・年収

これをベースにして、個人で経営する場合や、夫婦で経営する場合、3人程度雇用する場合の平均的な収入例は次の通りです。

経営規模年収例
個人(週6日勤務)500万円
夫婦(週6日勤務)1100万円
従業員を3人雇用した場合(週5日勤務)900万円

オーナー1人で経営をする場合の年収は週6日勤務で500万円、週5勤務で400万円程度となります。

上記の単価と所要時間から分かるように、1つの箇所をクリーニングするために2時間程度かかるため、移動の時間も考えると1日に相手にできるお客さんは午前中に1人、午後に1人~2人となります。

仮に、平均して1日2人のお客さんにサービスを提供した場合、平均的な単価は1万円程度であるため、1日の収入も2万円となります。

週1日の休日を作った場合、月の売上高が50万円となるため、そこからハウスクリーニング用品の消耗品費やチラシ代の合計6万円を引くと、44万円が月間の収入となります。

そのため、個人でハウスクリーニングを開業し、ある程度軌道に乗った場合には年収では530万円程度が目安となります。

夫婦など二人で開業した場合のハウスクリーニングの収益・年収

次に夫婦の2人で経営をした場合について考えてみましょう。

個人で経営をした場合には1日に2人のお客さんを想定しましたが、夫婦で経営する場合にはそれぞれが別の現場に行くことで個人で経営をしている際の2倍のお客さんを相手にすることができます。

そのため、平均単価1万円で1日4人なので、1日に4万円の売上があります。

夫婦の時間も楽しむ必要があるので、個人の時と同様に週1で休日を作ったとすると、月に25日稼働となり、月に100万円の売上となります。

消耗品費はお客さんの数が増えるに従って増えますが、広告費については5万円のままで問題ありません。そのため、月のランニングコストは7万円となります。

そのため、夫婦で経営を行った場合、月に93万円の収入があり、年収では1100万円程度となります。

ちなみに、週2日で休日を作った場合の年収は880万円程度となります。

最後に3人雇った場合の収入例をシミュレーションしてみましょう。

雇用した従業員は週5日勤務で25万円の給料を支払うと仮定します。それぞれが1日に2人のお客さんを相手にするとして、月に40万円の売上を獲得してくれます。

そこから給料の25万円と消耗品費の1万円を引いた14万円が従業員1人1人が毎月生み出してくれる利益であり、オーナーの収入となります。

そのため、従業員を3人雇った場合には月に42万円、年間で500万円の利益を生み出してくれることになります。

もし、オーナー自身も週5で働いた場合には約400万円の利益を生み出すため、従業員が生み出した利益と合わせると900万円程度の年収となります。

NEXT
ハウスクリーニングの開業・経営のメリット  

募集案件