焼肉屋の開業に必要な資金と準備するものは?経営に失敗しないコツも伝授!

焼肉屋は飲食業の中でも根強い人気があります。高単価なリピーターが期待できるものの、開業までの資金や準備はしっかりと行う必要があります。焼肉屋の開業・経営のための資金や準備に必要なことを失敗しないコツも含めて詳しく解説します。

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焼肉屋の開業に必要な設備や仕入れ一覧

開業にあたっては店内や厨房の設備や商品の仕入れの手配が必要になります。

設備や仕入れについてはコスト面を考えるのは当然ですが、お客様の満足度を満たすことを念頭に置いて選定しましょう。

焼肉屋の開業時に必要な設備は?

焼肉屋では座席でお肉を焼く「ロースター」と「排煙口」の取り付けが必要になります。

お店のコンセプトにもよりますが、清潔感を優先するのあれば煙の充満を防ぐ「無煙ロースター」の設置を検討しましょう。

排気設備の充実は女性客から高い支持を得られるとともに、コロナ対策にも有効なイメージづくりが行えます。

・無煙ロースター 1台あたり20万円~

・救援設備 1台あたり10万円~

・給排気工事 300~500万円

また、厨房については以下の設備が必要となります。

・業務用冷凍冷蔵庫

・ 調理作業台

・ シンク

・ 食洗機

・ 業務用コンロ

・ 業務用炊飯ジャー

・製氷機

・食器棚

この他、店舗に必要な備品です。

・調理器具

・食器

・消耗品(手袋、キッチンペーパーなど)

・衛生用品(アルコール消毒、清掃用具など)

・卓上用品(メニュー立て、調味料入れなど)

・レジ周り(POS、通信設備など)

・事務用品(PC、電話、清掃道具など)

焼肉屋の仕入れの内訳

□肉

肉の仕入れ先には卸業者、精肉店、畜産農家、卸市場があります。小規模の焼肉屋であれば仕入れのコスト、知識、手間などを考えれば卸業者が中心になります。また、仕入れる肉はお店のコンセプトに応じて、品質、部位、産地など選択しなければなりません。肉の選択は提供するメニューの味や価格に直結するため、お店の評価を決める最大のポイントになります。

事前に肉やメニューの研究や仕入れ先との相談をしっかりと行い、安定した仕入環境を築いていきましょう。

□タレ

肉とともにお店の味を決定づけるのが「タレ」の味です。

タレには「つけダレ」、「もみダレ」、「醤油味」、「味噌味」など様々な種類があります。

仕入れ業者等からできるだけ多くの情報を集めて、しっかりと納得のいくタレを選んでください。

□酒類、ドリンク

お店の利益に大きく貢献するメニューとして酒類などのドリンクがオススメです。特に焼肉は酒類との相性が良いため、お客様からのオーダーがかなり期待できます。

専門店や卸業者とも相談して、お店の特徴となるメニューをつくっていきましょう。

□キムチ

焼肉屋で欠かせないサイドメニューがキムチです。サイドメニューの中ではかなりの売上になりますので、お客様に満足いただける商品選定が必要です。

焼肉または漬物専業の仕入れ業者に相談していきましょう。

□冷麺

焼肉屋で提供される麺類といえば冷麺です。焼肉専門の仕入れ業者であれば取り扱いをしているケースがあります。

焼肉屋の開業に必要な資格の取得

焼肉屋を開業するためには、いくつか必要な資格があります。取得する手続きはそれほど難しくありません。「食品衛生責任者」と「防火管理者」の資格は「飲食店営業許可書」の申請に必要ですので、早めに取得手続きしましょう。

食品衛生責任者

「食品衛生責任者」資格は焼肉屋に限らず、飲食店を開業するためには必ず必要な資格です。

「食品衛生責任者」とは飲食店において食品の衛生を保ち、食中毒などの発生を防止する責任者です。「食品衛生責任者」1店舗に最低1人は必要です。

各都道府県の食品衛生協会において食品衛生学、公衆衛生学、食品衛生法の講義をうければ1日で取得できます。

防火管理者

「防火管理者」とは火災等からの被害を防止するため、消防計画の作成や防火管理の責任者です。

飲食店の収容人員が30人以上の場合は、防火管理者の設置が義務付けられています。

市町村の消防署や日本防火・防災協会にて、1~2日の受講で取得できます。

必要な届け出

□保健所

管轄の保健所へ申請します。

申請に必要な書類等が保健所によって変わる場合があるので、お店の工事着工前に保健所窓口に相談しましょう。

書類審査と立ち入り調査を通じて問題がなければ、「飲食店営業許可書」が交付されます。

□消防署

・防火対象設備使用開始届

 店舗の新築、改築、増築する場合に必要となります。

・防火管理者選任届

 店舗の収容人員が30人以上の場合に必要となります。

・火を使用する設備等の設置届

 火を使用する飲食店は届け出が必要です。

焼肉屋の開業に必要なスタッフ数とその教育方法

スタッフの必要人数を算出するには、まずは営業時のオペレーションを考えましょう。

平日のピーク時間をイメージして、厨房やホールなど何名のスタッフ配置が必要かを想定します。この想定人数の3~4倍ほどが開業に必要なスタッフ数になります。

このスタッフ数は参考値であり、採用するアルバイトがフリーター、パートタイマー、学生かによって必要人数は上下します。

スタッフは採用しても、すぐに戦力にはなりません。

開業までにある程度の教育していないと、オープン時にトラブルが相次ぎ、期待して来店されたお客様の満足度を大きく下げてしまいます。

遅くとも1か月前には採用を開始して、2週間前にはオープン前研修を開始しましょう。

採用の際は調理場とホールにそれぞれリーダー的な業務ができる飲食店経験者を1人ずつは採用しましょう。リーダーを通してスタッフ教育をサポートしてもらえると、効率的な教育を進められます。

教育するにあたっては、可能な限り詳細なマニュアルを準備しましょう。特に調理や衛生面の管理は、食中毒などお客様の生命に関わる問題です。事故が起きてからでは取り返しがつきませんので、スタッフ全員への徹底が必要です。

焼肉屋の運営・経営の実態

コロナ禍において飲食業界は大きな打撃を受け、かつてない厳しい状況が続いています。そんな中、お客様からの人気が高い焼肉屋の運営・経営実態はどうなっているのでしょうか?店舗業態別に売上実績から分析してみましょう。

一人焼肉・立ち食い焼肉など、小規模店舗の実態

一人焼肉専門店の「焼肉ライク」は積極的な店舗展開しています。2018年1月に1号店をオープンしてから、2021年9月では全国68店舗まで拡大しています。都市部の飲食店では独り勝ちに近い状態であり、コロナ禍もむしろ追い風となっています。

立ち食い焼肉は小スペース低コストを活かして、堅調に運営しています。3~5坪の店舗面積で月商150~200万円の売上があり、徹底したコスト削減による利益創出を図っています。

ロードサイドの大規模店の焼肉屋の実態

ロードサイド大型店の経営実態について、焼肉食べ放題で人気の「焼肉きんぐ」を分析してみましょう。

「焼肉きんぐ」などの焼肉屋を運営する物語コーポレーション焼肉部門の直営店年間売上高(2020年7月~2021年6月)は約328億円で前年比111.3%となっています。

既存店売上は前年比101.3%とコロナ禍や新規出店が続いていることを考慮すれば、非常に堅調な売上となっています。

「焼肉きんぐ」は外食需要が減少する中、郊外住宅地に隣接するロードサイドへの出店を進め、ファミリー層の確保に成功しています。

焼肉には「ごちそう感」という魅力がある反面、お客様には価格面の不安がありました。「焼肉きんぐ」は食べ放題で3000円未満という値ごろ感を実現することで、幅広い顧客の確保に成功しています。

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