ドミナント戦略とは市場独占の手法!メリット・デメリットを成功事例と失敗事例を合わせて解説!

特定地域に集中的に店舗を出店する戦略で、コンビニチェーンが活用することで知られているドミナント戦略についてそのメリット、デメリットを事例と合わせて解説します。ぜひご一読ください。

アイキャッチ

ドミナント戦略は市場を独占するための手法

ドミナント戦略という言葉をご存じでしょうか?ドミナント戦略とはある地域に店舗を集中的に出店することで、その地域の市場を独占するための手法です。特にコンビニチェーンがドミナント戦略を活用してシェアを伸ばしたことは広く知られています。

しかし、ドミナント戦略が百発百中の戦略かというとそうではなく、失敗した企業もあります。今回はドミナントの戦略のメリットとデメリットを具体的な事例とともに紹介いたします。また、ドミナント戦略における事前準備の大切さも解説します。

フランチャイズを利用しての独立を検討しており、そのフランチャイズ本部がドミナント戦略を取っている場合は参考にしていただければと思います。

ドミナント戦略によるメリット

まずはドミナント戦略のメリットを紹介します。ドミナント戦略には数多くのメリットがあります。

人的リソースや資源などの共有でコストカット

ドミナント戦略は特定の地域に店舗を集中的に投下することでその地域のシェアを獲得する戦略です。店舗を集中することで店舗間の距離が近くなりスタッフなどの人的リソースやそのほか資源を店舗間で共有することが可能となります。

そのため余分なスタッフを雇う必要がなくなりコストカットにつながります。店舗経営の悩みの一つである人件費をカットできることはドミナント戦略の大きなメリットです。

物流の効率化

店舗が集中することのメリットはコストカットだけを意味しません。店舗間の距離が近いため少ない移動距離で商品を配送できるようになります。これは物流の効率化を意味します。物流の効率化もドミナント戦略のメリットの一つです。

1店舗では捌けなかった顧客の取りこぼしを阻止

また、特定地域における店舗数が増えると1店舗では捌けなかった顧客の取りこぼしを阻止できるメリットもあります。1店舗だけの場合、需要が強くなっても物理的制約によってすべてのお客様に対応できない可能性があります。

しかし、店舗が複数あればその心配はありません。つまり、その地域の需要をとりこぼさずに販売を最大化させることができます。

一定地域における知名度の増加

また、特定地域に複数の店舗があることでその地域における知名度が増加します。人は同じ対象に繰りかえして触れていると、知らない間にその対象への好意が強まると言われています。

これは単純接触効果と呼ばれている効果です。知名度の増加は当然ながら販売アップにつながります。一定地域のおける知名度の増加もドミナント戦略のメリットです。

競合の参入を抑えることが可能

特定地域への集中出店はその地域でのシェアを高めるため、競合他社の参入を抑えることが可能となります。

一度シェアを握られた地域のシェアを奪うのはコストと時間がかかり、手間がかかるためです。これはその地域への参入障壁が高まる、ということです。

競合の参入を抑制できればその地域の支配権は盤石になり、安定した販売を見込むことができます。

店舗管理の効率化

店舗が近接していることは店舗管理の効率化が可能になります。同じ地域で課題も似てくるため、少ない打ち手で済む可能性が高いためです。

また、エリア特性に合わせたマーケティング活動も実施しやすくなります。店舗管理が効率化され、適切な打ち手が打てることもドミナント戦略のメリットです。

ドミナント展開によるデメリット

ここではドミナント戦略展開のデメリットも紹介いたします。

自社競合による売上の減少

繰り返しになりますが、ドミナント戦略の肝はある地域への集中出店です。集中出店によって同業他社の出店は抑えることができますが、自社の店舗同士の競合が発生します。

調査不足などの要因で地域の需要に対して店舗数を過剰にしてしまうと、自社競合が起こりやすくなります。各店舗にはそれぞれ販売目標があり、その部分に対しては同じグループの店舗とはいえ、ライバルになるためです。

自社競合は結果として1店舗あたりの売上をダウンさせるので、ドミナント戦略のデメリットと言えます。

一極集中による失敗時のリスク増

特定地域への一極集中はその地域の状況が変わったときのリスクが増大します。例えば、その地域で急激な人口減少または災害が発生した場合、ドミナント戦略をとっている企業の方がダメージが大きくなります。

なぜなら一つのエリアに店舗が集中しているため、そのエリアの変化に大きな影響を受けるためです。

リスクの分散がしにくいこともドミナント戦略のデメリットです。

ドミナント戦略の事例

ここではドミナント戦略の具体的な事例を成功例と失敗例とともに紹介いたします。

具体的な事例を参考にしていただければと思います。

コンビニチェーン

コンビニチェーンはドミナント戦略の代表例です。特にセブンイレブンは創業以来、積極的にドミナント戦略を推進しておりシェアを高めてきました。

集中出店による店舗管理及び配送効率の上昇、需要を取りこぼさないことはセブンイレブンの売り上げ拡大にプラスでした。その結果がコンビニチェーントップの国内2万店以上の店舗につながっています。

ドミナント戦略に伴う自社競合で店舗当たりの売り上げが伸び悩んでいるというマイナスもありながらも、セブンイレブンのドミナント戦略はおおむね成功と言えるとでしょう。

いきなりステーキ

対照的にいきなりステーキはドミナント戦略の失敗例として語られます。いきなりステーキは短時間かつ低価格で分厚いステーキを提供することで話題になり人気を集めました。

2013年に1号店をオープンさせてからドミナント戦略で急激に店舗数を増やします。6年後の2019年には店舗数は472店舗となりました。

しかし、事前調査を欠いていたのか増やしすぎた店舗同士でお客様の奪い合いが発生し、店舗ごとの売上は減少します。

結果としていきなりステーキ全体の経営も悪化して現在は債務超過で厳しい状態となっています。ドミナント戦略は必ず成功するわけではなく、適切に実施しないと経営に影響が出る可能性があることは覚えておいてください。

牛丼チェーン

牛丼チェーンもドミナント戦略で店舗数を増やしています。

こちらは集中出店による知名度上昇を狙っていると考えられます。

牛丼チェーンはそれぞれ全国展開をしているので、特定地域の知名度上昇は結果として全国的な知名度上昇にもつながり、販売増が期待できるためです。

ドラッグストア

ドラッグストアは医薬品を中心にして他に食料品、日用品も取り扱っている店舗のことを言います。特徴は食品や日用品を安くすることで集客し、利益率の高い衣料品で収益をあげるというスタイルです。

ドラッグストアもドミナント戦略に基づいて店舗数を増やしています。事業拡大のためには複数店舗の展開が必要なためです。

最近、身の回りでドラッグストアが増えていると思われたことはありませんか?コンビニやスーパーのシェアを奪っているのもありますが、ドラッグストアが増えているのはドミナント戦略のため、と考えていいでしょう。

ドミナント戦略を実行する前に検討すべき事項

いきなりステーキの事例からドミナント戦略が必ず成功する戦略でないことはご理解いただけたかと思います。

ドミナント戦略はやみくもに実施するのではなく、実行する前の準備が大切になります。

ここではドミナント戦略を実行する前に検討すべき事項を紹介いたします。

商圏の人口属性や土地柄

まずはドミナント戦略を実施するエリアについて調べる必要があります。

具体的には商圏の人口属性や土地柄について調べます。なぜならドミナント戦略の成否は地域の特性をつかめることができるかにかかっているからです。一つのエリアに集中出店だけでなく、地域を絞り込むことでその地域のニーズにマッチさせることがドミナント戦略の肝のためです。

検討しているエリアは高齢者が多いのか、ファミリー層が多いのか、あるいは学生が多いのかは知っておきたい事柄となります。また保守的なのか、リベラルなのかなどの土地柄も同じく理解する必要があります。

さらに、人口の推移も出店すべき店舗数を検討する上で必要です。

ドミナント戦略を検討する土地についてよく知る、ということが大切になります。

周囲の同業種の出店状況

土地について調べただけでは十分ではありません。

次に出店を検討するエリアにおける同業種の出店状況を確認する必要があります。いくらその土地が自身の店舗にぴったりでもすでに同業種が多数出店している場合はそこに出店してもうまくいきません。

すでに同業他社によってエリアが支配されているためです。その場合は別のエリアを探す必要があります。

逆に検討するエリアに同業種がいない、あるいは少ない場合は参入するチャンスがあります。出店する前に同業種の出店状況を調査することでドミナント戦略の成功確率がアップします。

ドミナント戦略に相性の良いフランチャイズ

ここまでドミナント戦略について解説してきました。

ドミナント戦略は特定のエリアに集中出店することでその地域におけるシェアを握る戦略で多くのメリットがありました。

しかし、具体的事例で紹介した通り、ドミナント戦略が決して万能な戦略でないこともご理解いただけたと思います。
稀にドミナント戦略がうまく機能しない業種でドミナント戦略を実行してしまっているフランチャイズ事業者が存在しており、注意が必要です。

募集案件